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643話

誰がウイルスを漏らし、そして誰が古蜀王の足取りを漏らして大雪苑の支部を逃がしたのか、楊動はまったく興味がなかった。どうせ彼は古蜀王の外部の手下や大雪苑の他のメンバーとは親しくなかったのだから。

楊動がただ驚いたのは、彼女が大雪苑の支部基地を突き止められたことだった。「どうやってロガス島に基地があると知ったんだ?」

古蜀王は淡々と言った。「諸葛甫が教えてくれたわ」

「諸葛甫を知ってるのか?」

楊動は眉をわずかに寄せた。

あの日、楊動がカフェの個室で会った時、諸葛甫は二人で武器取引、つまり生化学爆弾の開発・販売で協力しないかと持ちかけてきた。

その時、楊動はきっぱりと断った。

諸葛甫...