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614話

牛振鑫は今日の自分が不運極まりないと感じていた。

彼は軽食の卸売業を数年続けており、人脈の拡大とともに、ここ数年は商売も順調に伸びてきていた。

先週末、空港周辺のスーパーマーケット数店と納品契約を結んだばかりで、今日が初めての配達だった。

本来なら配達員が行くべきところだが、初取引の誠意を示すために、彼自ら足を運んだのだ。

そして……

そして銃撃戦に遭遇してしまった。

なんということだ!なぜ彼は暦の「外出不吉」という言葉を信じなかったのだろう?

今朝、暦には確かに外出不吉と書かれていたが、彼はそんなこと気にも留めず、配達すべきは配達し、稼ぐべきは稼ごうとしていた。

幸い天は人に慈悲深く、銃声...