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611話

失望と落胆に包まれたエレンに比べ、ジョン家の代表であるピルタは意気揚々とした表情を浮かべていた。

ラトランは彼に約束していた。アレーナと結婚した後、彼はアイリス・グループの顔となり、名目上はアレーナの下でありながら、実質的にはアイリス財閥全体を掌握することになると。

もちろん、いわゆるグラハム家の筆頭人物であるピルタは、ラトランのコントロール下に置かれることになる。

しかしピルタはそんなことを気にしていなかった。結局のところ、アイリス・グループが老ジョンの手中にあれば、彼は単なる周縁人物に過ぎないのだから。

アイリスを支配できるなら、誰かの操り人形になってもいい。

他の者は、そんなチ...