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562話

虹の湖は蘇北市の有名な観光スポットの一つだ。

毎年の春分の時刻になると、湖面に虹が架かるという言い伝えがあり、春になるとここは人で溢れかえる。

しかし冬は閑散としている。湖面はまだ凍っていないものの、落ち葉が一面に広がっていた。

湖の南岸は低い丘陵地帯で、冷たい風が吹くと葉がさらさらと落ち、寂しげな雰囲気を醸し出している。

今や月は半ば昇り、絹のような月光が降り注ぎ、まだ溶けていない雪と相まって独特の美しさを見せていた。

この丘陵は幹線道路沿いの住宅地からそれほど遠くなく、千メートルほどの距離だが、山の麓はひっそりとしていて、落ち葉の下を這う虫の音さえ聞こえるほどだった。

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