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451話

グリンハンムがその言葉を口にした途端、さっきまで冷静な表情を浮かべていたラソールは、まるで雷に打たれたかのように全身を激しく震わせ、手に持っていた酒杯を落としてしまった。杯はパリンと音を立てていくつかの破片に砕け散った。

杯の破片と共に、獣臭さを帯びた羊乳酒が床一面に広がり、かなりの量が華夏人の靴にまでかかった。

だがラソール老人は、それに気づかないかのように急に顔を上げ、グリンハンムを鋭く睨みつけた。顔は極度に歪み、先ほどまでの余裕ある様子はどこにも見当たらない。唇は震えるばかりで、一言も発することができなかった。

グリンハンムは恐怖で固まったように、うつむいたまま黙り込んでいた。

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