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37話

職階で言えば、王志というドライバーチームの隊長は明輝グループ内では、基層幹部にさえ数えられない存在だった。

しかし、宰相の門前には三品の官ありと言うように、王志は地位こそ高くないものの、ここ数年ずっと林総のドライバーを務め、行き来するうちに林総の顔を覚えてもらい、時には言葉を交わすこともあった。

そうなると、王志の立場は自然と上がる。本人が大したことなくても、背後に大物が控えていれば、誰が冷たくできようか?

だから、王志は何の肩書きもなく、給料もさほど高くないにもかかわらず、会社の多くの中間管理職は彼と話すとき、皆丁寧で、おべっかを使うような態度さえ見せた。

仕方ない、彼が林総の側近だ...