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346話

宋媛媛が泣き出したことで、林映冰はかえって戸惑ってしまった。

彼女は慌ててティッシュの束を取り出して差し出しながら、優しい声で言った。「宋先生、落ち着いて。もう一度よく考えてみて、何か思い出せるかもしれないわ」

ティッシュを受け取って目尻を拭いながら、宋媛媛は力強く首を振った。「思い出せないわ、何も思い出せないの!林社長、嘘じゃないわ、誓って、わ、わたし本当に覚えていないの!」

「はぁ、それなら、病院で検査してみたら?」

林映冰はしばらく呆然としたあと、ようやく小さくため息をついた。

そうして、二人は個室に座ったまま、お茶を一杯飲み終わるほどの時間、沈黙が続いた。やがて林映...