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318話

町の守りは全く厳重ではなかった。

楊動は人目も気にせず農地を通り抜けて町に入ったが、柵の中の衛兵は奇妙な服装をした男を一瞥しただけで、それ以上何も言わなかった。

町に入ると、両側には建物が立ち並び、まるで中華の古代を思わせる雰囲気があった。

辺りを見回しながら、楊動はすぐに前方の老いぼれ馬が引く幌馬車を追い越した。

馬車を操るのは髪の毛が真っ白になった老人で、目を細めたまま、楊動に全く気づいていなかった。

しかし幌の中に座っていた人物は、カーテンの隙間から奇妙な服装の楊動を見て、軽く「あら?」と声を上げた。

声からすると、若い女の子のようだった。

楊動は気にも留めな...