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312話

今日は秋分の日。林映冰は中央テレビの天気予報で、四川地方が晴れ間の多い良い天気だと知った。

杨動が出かけて以来、彼女はずっとあちらの天気予報を気にかけていた。

杨動は出発前、投資案件の視察に行くと言ったものの、林映冰は何となく察していた。彼が父親が二十年以上前に訪れた場所に向かったのではないかと。

杨動が出かけてからこの数日間、一度も彼女に電話はなく、彼女が電話をかけても、電源が切られていると表示されるばかりだった。

彼女はもちろん知るはずもなかったが、古蜀に入ってから、杨動たち三人は軍用衛星電話に切り替えていたのだ。

この衛星電話は機能こそ多くないが、どんな山奥でも確実に通信できる...