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1814話

何の器官も持たない、ツルツルとした顔。

濃霧の中にそんな顔が見えたら、普通の人なら肝を冷やして腰を抜かしてしまうだろう。

だが任平生は全く動じなかった。せいぜい一瞬体が硬直しただけで、すぐに何かに気づき、相手の首をつかみ、爪を立てて何かをグッと引き剥がした!

すると、一枚の皮が丸ごと剥ぎ取られた。人皮の仮面だった。

仮面の下には、青紫色の顔があった。ごく普通の、特に変わったところのない顔だ。

「ふん、化け物のふりをしやがって」

任平生は仮面を投げ捨て、その男も手放すと、濃霧の中を見つめた。

霧はいまだ静まり返り、物音一つしない。

「そいつ、赤外線ゴーグルとか持っ...