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1737話

天堂散、それは楊動が一生忘れることのできないものだった。

かつて天堂散は年幇三苑が会員を支配するために使っていたもの。もちろん、大雪苑の隠遁と寒露苑が姿を現さない今、天堂散を掌握しているのは芒種苑だけ。

言い換えれば、林映冰だけだった。

林映冰が芒種苑の苑主の座に就いてから、楊動の周りで天堂散が引き起こす厄介事はほとんど見られなくなった。

天堂散は、楊動の人生において過去のものとなりつつあった。

しかしそんな時、古蜀王がまた天堂散について言及し、そこから抽出された精製物が強力な幻覚作用を持ち、西洋で記録されているある物質と似ていると言った。

エーテルの息。

楊動は誓って、こんな物...