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1707話

十二柱の主神、十二の黄金の玉座。

地球の裏側、遠く北欧の伝説では、世界には十二柱の神々が存在するという。

主神、神々の王はもちろんオーディン、またの名をヴォーデン、世界の支配者だが、林映冰の目には今や彼は単なる石の彫像でしかなかった。

そして先ほど林映冰を叱責し、逆に散々な罵倒を受けた女神こそがシフ、伝説ではトールの妻とされるが、実際はトールの部下のようだ。トールが「無礼を働くな」と叱りつけた途端、シフは恨みがましい目で林映冰を一瞥し、ふわりと黄金の玉座へ戻っていった。

林映冰はそんな彼女に構う気もなく、ただ軽く手を振るだけだった。

正直なところ、昨日までの林映冰なら、こん...