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1704話

「フレイヤを中へ通しなさい」

「はい」

諸神殿の神々がそう仰せになった以上、白衣の女性はもう邪魔をする気にはなれず、すぐに元の位置に戻り、また彫像のように立ち尽くした。

「フレイヤ、私についてきなさい」

林映冰はそう淡々と言うと、ようやく身を翻して先へと進み始めた。

フレイヤは感動と興奮で胸がいっぱいになった。

感動したのは、林映冰が彼女のために、諸神の前でさえ彼女を守ろうとしてくれたこと。

そして興奮の理由は、これから諸神に会えるということ。言わば、何百何千もの神使の中で、最も幸運な一人になるのだ。

林映冰の足取りを固く追いながら、フレイヤは主神殿の中へと足を踏み入れた。

そして、彼女はやや...