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1703話

「後悔していないし、後悔する必要もない」

そう林映氷が言うのを聞いて、ジュリーは一瞬固まった。

林映氷の人物像は、この数日間ずっとギルンガの観察記録の中にあり、ジュリーが彼女に仕えるようになる前から、彼女がどんな経験をしてきたのかを知っていた。

そして彼女が権力を渇望し、支配力を持つ女性であることも十分理解していた。

だからこそ彼女は不思議に思った。「林夫人、世界を支配するチャンスを逃したことを後悔されていないのですか?あなたがヴォーデン様になりたいと願えば、主神様でさえあなたに従うはずなのに」

実際、ジュリーの言う通り、林映氷の心の中にも少しばかりの悔いはあった。

もし彼女が水に...