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1605話

カヤスが夢にも思わなかったことだが、宝物庫での彼の一挙手一投足は、小さな狐の目にすべて映っていたのだ。

狐は古来より、最も霊気を持つ生き物とされてきた。

白狐からの警告を受け、レナがすぐに城の裏山へ駆けつけたとき、龍珠はすでに持ち去られた後だった。

神が欲深いかどうかはさておき、レナには分かっていた。龍珠はニフォル島の至宝であり、一度盗まれれば、必ずキルンガ神の怒りを買うことになる。

そのときキルンガ神の罰が下れば、カヤスは間違いなく命を落とすだろう。

しかし、もしカヤスが死んでしまったら?

龍珠は、誰でも手にできるものではない。

歴代の城主を除き、龍珠を手に入れようとする者は、...