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1603話

海辺の霧は山のそれよりも薄く、月光が白い霧を通して差し込んでくる頃、楊動たちも砂浜にたどり着いた。

「船が本当に戻ってきたんだ」

懐中電灯を照らしながら、海面の近くに浮かぶヨットを見て、鷹眼密探の一人が信じられないという様子で息を漏らした。

農仕はむしろ誇らしげに褒め称えた。「へぇ、駙馬様が直々に出向けば、ヨットの一つや二つ手に入れるのなんて朝飯前ってことだな？」

千の褒め言葉より、おべっかが一番効くものだ。農仕は外の世界に長くいるうちに、こういったことも少しは学んだようだった。

常神使が横で不満そうに鼻を鳴らし、厳しい口調で言った。「外界に来てから、腕前は日に日に落ちてい...