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1581話

今日の南太平洋は、相変わらず暖かな一日だった。

太陽の照りつける下、浅瀬の海水温度は上昇し、穏やかな様子を見せていた。しかし火山口の底にある洞窟の中では、一行は骨の髄まで染み渡るような寒さを感じていた。

それは単に身体的なものだけではなく、心にも及ぶ冷たさだった。

目の前で十数人の仲間が理性を失い、最後には自分一人だけが「生きている」状態になるという光景は、想像するだけでも恐ろしいものだった。

ボロボロの羊皮表紙のノートを見ながら、五人が心の底から寒気を感じていたその時、ドサッという音と共に、将思瑶がその場に崩れ落ちた。

常神使は慌てて彼女の方を見た。将思瑶の顔色は異様なほど悪く、紙...