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1443話

陰陽婚、中原地方では冥婚とも呼ばれる。

多くの名家では、家族の男女が亡くなった後、その霊が寂しさから祟りを起こし、家を不安定にすることを恐れ、死者のための婚礼を執り行うのだ。

こうした婚礼は大抵、生きている人の命を害することはなく、同年齢で、ほぼ同じ時期に亡くなった者同士を組み合わせるのが通例だ。

しかし、より辺境の南疆の一部地域では、別の形の陰陽婚が存在する。新郎新婦が結婚する際、同時に死者同士の婚礼も行うのだ。

そうすることで、あらゆる不運は死者の二人が引き受け、実際に結婚する新郎新婦はその後の新婚生活で順風満帆に過ごせるという。

だが一つ条件がある。死者の遺体は新鮮でなければな...