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1292話

実は潜入当初、寧苗苗は楊動が言った山鶉の鳴き声で助けを求める方法を軽んじていた。

彼女からすれば、大雪苑がどれほど強大だとしても、それはただの勢力の問題に過ぎない。

武力で言えば、あの連中は絶対に彼女にはかなわないし、ましてや古蜀王には到底及ばない。

しかし楊動はどうしても彼女に笛を持ち歩くよう求めた。案ずるより産むが易し、不気味な大雪苑で一体どんな危険に遭遇するかわからないのだから。

楊動の強い主張に、寧苗苗は渋々同意したものの、心の中ではまったく気にかけていなかった。

彼女は、今夜絶対にあの笛を吹くことはないだろうと思っていた。

だが結局、彼女は吹いた。それも非常に切迫した様子...