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705話

私は躊躇わず、人差し指を唇に当て、沈寒夢に静かにするよう合図し、すぐに電話に出た。急いで尋ねる。「泥棒は見つかったのか?」

「はい」

「物は見つかった?」

これこそ私が一番気になることだった。

「いいえ、売ったと言っています」

「なんだと!どこに売ったか聞いたか?今どこにいる?すぐ行く」

「この野郎、口が堅くてな。どうしても買い手を言わない。商売に掟があるとかなんとか言ってる」

なるほど、その点は少し感心するな。

場所を聞いて、すぐに向かった。二十分ほどで私たちは市の中心部にある植物園の近くに到着し、周馳たちが道端の東屋で待っているのを見つけた。

沈寒夢には車で待っていても...