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588話

私の頭に電気が走り、先ほどまで襲ってきた眠気が一瞬で消え去った。喉を必死で鳴らしながら唾を飲み込む。考えるまでもなく、間違いなく趙虹だ。

くそ、この女、大胆すぎるだろ。

義弟が助手席に座っているというのに、よくも俺に手を出せるものだ。

今この瞬間、極度の緊張感と同時に、妙なスリルと興奮が胸の内に広がっていた。この背徳感は、マジで気持ちいい。

恐る恐る前を見ると、義弟は窓の外を眺めていた。思わずほっと息をつく。彼女の手を払いのけたいのに、まるで千斤の重さでもあるかのように、手が上がらない。

ああ...少しくすぐったい。趙虹の小さな手が、俺の火の山に向かって進んでくる。

彼女は火遊びを...