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584話

「そんなに早く調べがついたのか?」私はちょっと信じられないような気持ちで尋ねた。

「年末だからよかったよ。普段ならマジで難しかったはずだ。この私生児の正体、お前、夢にも思わないだろうな」

周馳の神秘めいた笑い声が電話越しに聞こえてきた。

「あの老いぼれに見つからなかったか?」

「安心しろよ。あいつに見つかったら、俺たちは終わりだ」

「兄弟、苦労かけたな。他の奴らにも伝えてくれ。家に帰ってゆっくり正月を過ごせと。何かあっても正月明けでいい。今回はみんな大手柄だ。一人ずつ大きな赤い包みを用意した。すぐに送る」

これは心からの言葉だった。

「兄貴の気持ち、みんなに伝えておくよ。ありがと...