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483話

思い返してみれば、市からの朱殲滅の任務を受けた時から、徐々にこの泥沼に引き込まれていったんだ。今のように、朱を殲滅した後で、すでに官界の泥沼にどっぷりと浸かってしまい、抜け出したくても難しくなっている。義父には随分と迷惑をかけられたものだ。

あれこれ考えても、事態がここまで進んでしまった以上、抜け出すのはもう不可能に近い。

脱出できないなら、勇気を持って立ち向かい、危機を最小限に抑え、生き残る道を見つけ出すしかない。

そう思いながら、ポケットからUSBメモリを取り出した。これは例の小箱に特別に残しておいた証拠だ。この証拠に関わる人物は必ず私に感謝するだろう。そろそろ彼を訪ねる時間を作らな...