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453話

城南から城北までは、車でおよそ一時間の道のりだ。

窓の外を眺めながら、私は少し物思いにふけっていた。頭の中では朱世光のことを考えていた。あの老人が早く解決するよう急かしてきたが、直感的にそれは完全に彼自身の考えだとわかる。

誰かに急かされているとか、酒を贈られたとか、そういった話は全て言い訳にすぎないと感じた。

そう思うと、また彼が一体何者なのか気になってしまう。

彼の身分を推し量ることはできないが、劉聪の言葉から察するに、相当な大物であることは間違いない。

不思議なのは、そんな大物が朱世光を始末したいなら、一言で済む話なのに、なぜこんな面倒なやり方をするのだろう?

もしかして、私...