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433話

私は一瞬ぼうっとしたが、すぐに取り繕って言った。「小清、彼女の演奏が終わってから連れて行くことはできないかな?」

「ダメよ、この件は領事館も介入しているの。彼女は必ず私と行かなきゃならないわ」

彼女の言葉に、私は反論できなかった。

そのとき、小さな三つ編みの男が慌てた声で言った。「これは小沢さんのせいじゃありません。彼女は誘拐されただけの被害者です。お金をもらって彼女を誘拐する計画を立てたのは私です」

おいおい、俺はこいつを見くびっていたようだ。こんなに義理堅いとはな。

「やめて」

小沢は彼に向かって首を振った。

「この件はそもそも私が原因で起きたことだから、罰を受けるべきは私よ...