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394話

考えれば考えるほど、悩みが増していく。

そこで、いつものように頭を強く振って、複雑な思考を全て振り払おうとした。

同時に心の中でため息をついた。毎日毎日、自分の生活はどうしてこんなに充実しているんだろう。一瞬たりとも暇がなく、あっちで問題が起きれば、こっちでも事件が発生する。どうやら林さんは天から遣わされた使者で、美女を救うことを専門にしているらしい。

ふん、結局は博愛精神が災いを招いているんだよな。

窓の外に目をやると、辺りはすっかり暗くなっていた。時計を見ると、もう夕方の6時半だった。

この時間帯は、道路の渋滞が特にひどい。特に市街地のこの区間は最悪で、城南大通りに入れ...