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389話

「どうしたことかさっぱりわからないんだけど、一昨日突然工事が始まったの。いきなり店の前の道路を壊して、私たちの店の入り口を完全に塞いでしまったわ。わずか半日で、この一帯全部が遮断されちゃって...もう頭が痛くて」

田一禾は眉をきつく寄せ、ため息をつきながら話した。

私は彼女の肩を抱き、ソファに座り、彼女を抱きしめた。柔らかな体を感じながら、心がむずむずしてきたが、あのいまいましい出来事を思い出すと、途端に気分が萎えた。

「あの新しくオープンした『フレンジー』バーも塞がれたのか?」

「いいえ、あそこはラッキーだったわ。工事はちょうど彼らの店の少し手前で止まってるの」

彼女の言葉を聞いて...