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194話

私たちは王兄について三階のオフィスの前まで来た。

「待て、彼女だけが入れる」

ドアの前に立っていた二人の男が王兄を一瞥した後、私と劉聡を制し、田一禾を指さした。

「王兄、俺たちも一緒に入れてくれよ。せっかくだし、ボスに挨拶できるチャンスじゃないか。あなたが言えば、きっと聞いてくれるだろ」

私は小声で王兄に頼んだ。

「兄弟、ボスが気持ちよくなったあとで紹介したほうがいいんじゃないか?」

王兄は少し困ったような表情を浮かべた。

「王兄、無理なら構わないよ。この二人もあんまりあなたの言うこと聞いてなさそうだし、理解できるさ」

私はすかさず逆手に出た。田一禾を一人で中に...