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176話

「ドン」という音。張三は三歩後退した。拳は李伯の体に当たらず、楊塵に受け止められた。

楊塵はもう見過ごせなかった。この件はそもそも方雪清が原因で起きたものだ。今や方雪清は自分の一時的な彼女であり、自分が招いた災難を他人に向けられるのを見過ごすわけにはいかなかった。すぐさま出手してその一撃を受け止めた。

楊塵自身も黒社会の人間だ。彼は黒社会の用心棒料の取り立てのルールを知っている。もし取り立てのたびに人を傷つけていたら、誰がお金を払うだろうか。本来なら彼はこういった事に関わるつもりはなかった。黒社会はこれで生きているのだから。しかし、用心棒料を取ることと人を殴ることは別問題だ。ましてやこの男...