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10話

「お前の異能は何だ?」もちろん鉄男は楊塵に直接尋ねるわけにはいかない。一つには楊塵が教えるはずがなく、もう一つには異能者同士の暗黙の掟だからだ。

鉄男は彼を恐れる様子もなく、不敵に笑うと、突然駆け寄った。

風を切る音とともに、手を鉤爪のように伸ばし楊塵に掴みかかる。楊塵は冷静に片手を伸ばし、鉄男の爪を受け止めた。

鉄男は手首をひねり、楊塵の差し出した手をしっかりと掴むと、得意げに笑った。「捕まえたぞ!」

「なぜ君が私を捕まえたのであって、私が故意に掴ませたわけではないと思うんだい?」楊塵は返した。

雷虎と鉄頭は顔を見合わせ、大笑いした。雷虎は得意げに言った。「何を偉そうに言ってやがる。俺の...