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36話

「うん、あの老人のことだけど、私もさっき知ったばかりなんだ」

陸晨は無邪気な顔でうなずいた。

今度は楚夢雪が言葉に詰まり、どうしても我慢できずに疑いの目を向けて言った。

「あなた、どんな犬っころの運なの?最初は秦家の三番目の息子の嫁を救って、次は劉家の家主を治して。どうしていいことばかりあなたに降りかかるわけ?」

「そんなの僕が知るわけないじゃないか。劉おじいさんの言動は普通の人と変わらなかったし、もし彼がそんな大物だって知っていたら、診察料をもっと取っていたよ。あの時は半日も苦労して働いたのに」

楚夢雪の疑いに対して、陸晨はむしろ非常に委屈そうな顔で言った。

楚夢雪もそれはそうだと思い、陸晨...