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96話

「帝の誕生日、天下同慶の日。

この日の盛京は、いつにも増して賑わいを見せていた。

前世のこの日、いくつかの出来事が起きた。

太子兄が過ちを犯して父皇の怒りを買い、その場で罰せられたのだ。

太子妃の義姉は激しい動揺から気を失い、その場で倒れてしまった。

御医が遅れて駆けつけ、脈を取ってみると、太子妃に身重の体であることが判明した。

先ほどの激しい感情で胎動が起き、何とか子供は守れたものの、太子妃の特殊な体質ゆえ、その後少なくとも三ヶ月は床に伏して静養しなければ胎児を安定させることができないと言われた。

しかし結局、子供は二ヶ月後に流産してしまった。

それ以来、太子妃の体は完全に子を宿すことができ...