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72話

沈逸之は数日間、公主府で静養を続けていた。

彼は宮廷医師が処方した薬を使うのをやめ、外から適当に医者を探して薬を調合してもらった。数日もしないうちに、傷はすっかり癒え、かゆみも消えていた。

彼はますます宮廷医師の薬に問題があったと確信したが、証拠がない以上、冷澜之に対して何もできなかった。

この日、冷澜之が太子府へ太子妃を訪ねようとしていたとき、流纱が突然入ってきた。「公主様、駙馬様がお見えです」

しばらくして、沈逸之が部屋に入り、穏やかに微笑んだ。「公主」

今となっては、冷澜之は演技すらしたくなかった。冷ややかに言った。「何の用?」

沈逸之の眉が一瞬だけ寄ったが、すぐに元の表情に戻っ...