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7話

彼は安児の母を深く、そして熱烈に愛していた。

ただ惜しいことに、彼女の身分が足りず、侯府の正室となることはできなかった。

当時、老侯爷が亡くなったばかりで、侯府は風雨に揺れる瀬戸際にあり、一歩間違えば高みから転落するところだった。

彼は自尊心が非常に強く、女は男の付属品に過ぎず、男が女に頭を下げるべきではないと考えていたが、平南侯府を支えるためには、吐き気を抑えながら公主の機嫌を取り、皇帝からの賜婚に対しても、しぶしぶながら受け入れるしかなかった。

母の言うとおり、あるいは当時の選択は間違いだったのかもしれない。

公主がいなくても、この数年で立てた輝かしい戦功によって、彼は順調に高い地位へと上...