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51話

「きゃあっ!!」沈蘭児が悲鳴を上げた。「よくもそんなことを!?」

「妾は堂々たる当朝一品の伽羅(から)姫にございます。お前の義父様でさえ妾に会えば跪いて礼をするのです。お前如きが何者のつもりで、妾の鼻先に指を突きつけて罵るのですか?!」

冷藍之は無表情のまま告げた。「私的には、あなたは兄嫁に逆らい、目上の者を敬わない。公的には、当朝一品の姫君に口答えし、身分不相応な振る舞い。よくもそんなことを、ですって?その質問は、妾からあなたにするべきではありませんか」

結婚して六年、これは冷藍之が初めて姫としての身分を持ち出した瞬間だった。

平南侯府の人々は彼女の威厳に圧倒されていた。

沈蘭児は...