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482話

彼女は体が少し弱っており、ベッドから起き上がるのに苦労しながらも、近くの引き出しから一冊の本を取り出した。

その本の表紙は鮮やかで、一瞬光を反射した素材は、冷澜之がかつて一度だけ見たことのある「厄運符」のようにも見えた。

表紙には大きな文字が書かれていたが、冷澜之が慣れ親しんだ繁体字ではなかったものの、不思議なことに彼女にはそれが読めた。

『権臣の寵愛する小娇妻』

本のタイトルの下には、この本の紹介文が書かれていた。

青楼に身を落とすところだった俞婉儿は、偶然に沈逸之と出会い、本物の愛を見つけたと思ったのも束の間、彼が皇帝に認められた駙馬であり、まもなく当朝の公主と婚姻することを知る。

彼女は...