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481話

「林維揚、従兄さま、どうしてここに?」彼女は不思議そうに尋ねた。

一年余り前の盛国宮廷クーデター以来、皇后の一族が再び実権を握り、冷藍之は林維揚を官職に推挙していた。

そうでなければ、彼は家臣の身分として、本来なら彼女と共に驚羽帝国へ来ているはずだった。

「恐れながら申し上げます、陛下が密報を受け取られまして、姫君が驚羽帝国で危険に晒されていると。特に我々を遣わし、姫君の護衛にあたるよう命じられました」林維揚は恭しく言った。「もし姫君が盛国へお戻りになりたければ、我々がお護り申し上げます」

冷藍之は何か違和感を覚えた。

もし驚羽帝国でこの宮廷変動が起きていなければ、彼らがこれほど容易に入...