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453話

星も月も出ていない夜だった。

一行は暗い森の中で休息のために立ち寄っていた。山火事を引き起こさないよう火を起こすことができず、乾燥した食料を食べるだけで、照明は冷藍之が持参した夜明け珠を使うしかなかった。

この伽羅の姫が一瞬の躊躇もなく拳ほどの大きさの夜明け珠を二、三十個も取り出して照明にしているのを見て、普段この女を良く思っていない冉宝方でさえ、思わず舌を打った。

驚きが過ぎ去ると、彼は盛国を攻め落とそうという決意をますます固めた。

盛国は豊かだ。もしこれを驚羽帝国の領土にすることができれば、盛国の富はすべて驚羽帝国のものとなる。

驚羽帝国の国力はさらに一段階上がるだろう!

何より重要な...