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424話

夜の空気はすでに涼しさを帯び始めていた。

「姫様、お早めにお休みになられては」

流紗が薬湯を持って入ってきたが、自分の姫が窓辺に寄りかかって月を眺めているのを見た。彼女は無意識に自分も顔を上げて見上げると、月は灰色がかっていた。ちょうどその時、ひと陣の風が吹き、黒い雲が流れてきて、最後のわずかな月明かりさえも覆い隠してしまった。

最近、冷澜之は嵐が近づいてくるような重苦しさを感じていた。

太子党と秦王の争いはますます激しくなり、両者は朝廷の上で激しく争うだけでなく、朝廷の外でも容赦なく対立していた。

そんな血なまぐさい争いの中で、顧湛はまるで完璧に姿を消したかのように、どちらの側にも...