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374話

年端もいかない少年は今日、人生における重要な教訓を学んだ——仏も救わぬ者は救えぬということを。

彼は手を差し伸べることはできても、相手がそれを有り難く思うとは限らない。

だから、自分の心のままに行動すればいい。

どうせ彼の目的は、あの人に感謝されることではなかったのだから。

ただ、彼は公主様の人が他人にいじめられるのを見過ごしたくなかっただけなのだ。

それを理解したら、あの少しの心の痛みなども大したことではなくなった。

冷澜之は少年の晴れやかになった表情を見つめながらも、彼が何を悟ったのかを追求しようとはしなかった。

「見学が終わったなら、帰りましょう」

賀衍玥は頷いた。

ジョセフ学院の一行が...