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36話

沈逸之は不安げに冷澜之を見つめていた。彼女は何か知っているのではないか?

実際、この感覚は初めてではなかった。

今回、京に戻って住むようになってから、公主が以前ほど自分に懐かなくなったことに気づいていた。

最初のうちは気楽でよいと思っていた。

結局のところ、彼は彼女に対して男女の情など一切抱いておらず、ただ公主という身分に遠慮して取り繕っていただけだった。世間から「軟飯を食う男」と評されたくなかったため、当時わざと「英雄が美女を救う」という一幕を演出し、それ以来ずっと公主に対して近づいたり離れたりを繰り返し、彼女の心を強く引き付けていた。

後に、望み通り駙馬となったが、世間の人々は彼が皇帝に強...