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354話

建良帝は特別専制的な父親ではなく、子供たちのことなら、融通が利くならば惜しみなく許す方だった。

彼は顧湛を一生独身で過ごさせようとも、伽羅を孤独のままにしておこうとも思っていなかった。

しかし、この二人が一緒になることだけは許せなかった。

結局のところ、顧湛は彼の手の中の刃であり、伽羅は太子の実の妹なのだ。

もしこの二人が結ばれれば、顧湛が太子の力となる可能性が高く、それは彼が決して容認できないことだった。

たとえ太子を廃することなど考えたことがなくとも、自分の在位中に太子の権力が大きくなることは許せなかった。

言い換えれば、与えるのは自分だが、太子が勝手に奪うことは許さないということだ。

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