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35話

その時、沈逸之は男性席で朝廷の大臣たちと談笑していた。

普段なら彼にこのような機会はなかった。

彼は駙馬として毎日朝廷に出仕していたが、朝会中も朝会後も、彼が人々の視線を集めることはなかった。

皇帝にしても朝臣にしても、関心を寄せるのは丞相や数名の尚書、そして重要な権力を握る将軍たちだけだった。

駙馬?

ただの小さな六品の千戸にすぎない。

駙馬という身分がなければ、朝堂に足を踏み入れる資格すらなかったのだ。

視線の絶対的な焦点となれるのは、今日だけ。

彼はこの機会を掴まなければならなかった。

しかし、暁柔のあの知らせは、彼が苦労して築き上げた階段を打ち砕く鉄槌のようだった。

彼は全身の血液が凍...