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145話

冷澜之は大殿に入った。

彼女の後ろには、二人の衛士が火烈王の高瀛を押し連れていた。

その高瀛の顔は青あざだらけで腫れ上がり、鼻の下には血の跡が二筋伸びていた。まさに惨めこの上ない姿だった。

高瀛のその様子を目にして、殿内は騒然となり、八公主は即座に立ち上がって怒りを露わにした。「伽羅公主、なぜ我が兄上を傷つけたのですか?」

使臣団も最初の驚きから我に返ると、口々に怒りを爆発させた。「盛国陛下、私たちは誠心誠意平和を求めて参りましたのに、貴国はこのように我々の誠意に報いるのですか?」

顧湛はいつの間にか大殿に戻っており、彼は冷ややかな目でその発言した使臣を一瞥した。「それは違いますな。我が国の公...