Read with BonusRead with Bonus

118話

「奴婢はうわさで耳にしましたが、数名の奥方様が話されていたところによると、今年の花見の宴の主題は菊を詠むことで、また宮中に成年された二人の皇子様が加わったため、名目は花見の宴でありながら、実際はその二人の皇子様に妃を選ぶための場だとか」と乳母が言った。

沈逸之は「?」と思った。

もしそうだとすれば、皇后が母に招待状を送らなかったのは、むしろ筋が通っている。

結局のところ、彼らの平南侯府には皇子にふさわしい年頃の娘などいないのだから。

それに、たとえ表向きの菊を詠む宴だったとしても、母を招くのは適切ではない。

母は詩を暗唱することさえできないのに、その場で詩を作るなど論外だ。

厳密に言えば、...