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107話

冷澜之は一度宮中に参内した。

時はまだ宵禁の時刻には至っていなかったが、街にはすでに多くの民はおらず、もし玉華街を通る際に、今日の騒動の女主人公を遠くから見物しようとする民衆がいなかったのは幸いだった。

皇帝が牌を開こうとしていた時、伽羅公主が来たと聞き、直ちに輿を皇后の栖鳳宮へと向かわせた。

宮殿の外に着いた時、皇后の詰まった声が聞こえてきた。「沈逸之め、死罪に値する!」

対して冷澜之は穏やかな口調で言った。「母后様、もう過ぎたことです」

「どうして過ぎたことになるのですか?」普段は温和な皇后だが、今は怒りに震えていた。「あの沈逸之が我が子をこれほど傷つけたのに、本宮は奴を千刀万剮にしてやり...