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476話

「診療所に入ってきたその人物は、年齢は24歳前後といったところか。青い武道着を身にまとい、背中には一メートル三、四十センチほどの紅檀の木箱を背負っていた。木箱の幅は10センチほどだろうか。

髪は丸く結い上げられ、耳の横から顔にかけて数筋の長い髪が垂れ下がっている。瞳は墨を点したように黒く、鼻は吊り胆のように高く、適度な大きさの唇は軽く結ばれていた。

一歩一歩が、まるで物差しで測ったかのように正確で、75センチちょうど、一分の狂いもなく進んでいく。

周小強はこの青年が並の人物ではないという結論に瞬時に達した。鄧紫月が警告していたあの件を思い出し、高度な警戒態勢に入る。

その青年は悠々と周...