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982話

京の都の今宜の夜空には、一つの星も見えなかった。

寒さは厳しく、元旦を過ぎて襲いかかる冷気に、夜の外出を楽しむ気持ちもなく、ただ家に籠りたくなる。

夢紅楼の中。

穆青は一人座って、何かを考えていた。

窓の外、夜の闇に霞む濃霧が、ついにその重みに耐えかねて、一片また一片と雪へと変わり、空から舞い落ちてくる。通りを行く人々の中には驚きの声を上げる者もいれば、手を伸ばして雪を受け止め、掌の上で氷水に変わるのを見つめる者もいる。羽毛のコートを引き締め、足早に歩く人もいる。すぐに雪は大きくなり、多くの人がバッグや手提げ袋を取り出し、髪を覆いながら、家路を急いだ。

年の瀬がますます近づいていた。

あと半月...