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978話

「右魔……」

これには本当に驚かされた。

左魔が誰かは知っている。左魔は現在の黒十字の真の支配者だ。最初は左魔という名前の由来を知らなかった。左という姓だから、彼の苗字が左なのだと思っていた。今になって分かったのは、黒十字には左魔の他に、右魔もいるということ……

そして私が?

はっ、そんなはずがない。

信じられないという表情で趙文昭を見つめた。

趙文昭は私の顔色が変わったのを見ている。

それから蘇婵を見ると、彼女も意味深な眼差しで私を見つめていた。

「何の意味だ?」

私は苦笑いして言った。「これは間違いだと思わないか?こんなことあり得ないだろう?什麼右魔だの、黒十字だの。俺は黒十字を根こそぎ引...