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950話

「唐雪娇に何かあったのか?」

胸が急に締め付けられた。

最近、唐雪娇はそろそろ中学校の卒業試験を控えているはずだと考えていたところだった。西涼に行って彼女の両親と話し合い、できれば貪狼区か魔都の高校に通わせた方がいいのではないかと。

教育の質も、生活環境も、そちらの方が良いだろう。

唐雪娇のことは、私はかなり気にかけていた。

彼女に一体何があったのだろう?

胸に不吉な予感が湧き上がってきた。

何とも言えない悪い感覚が心を覆い、しかしそれが何なのか明確には見えない。要するに、自分が黒十字に取り囲まれ、そして自分が気にかけている人々も黒十字に囲まれているという無力感と憎悪が全身を不快にさせていた。...